結婚を意識したり婚活を始めると、多くの人がこのような言葉を耳にするのではないでしょうか。
結婚相手は、一人暮らし経験がある人がいいよ。
しかし、一人暮らしをしていたとしても、その生活の内容は人それぞれです。例えば、
・自炊をほとんどせず、外食で済ませている人。
・趣味や交際にお金を使い、貯蓄をまったく考えていない人。
・忙しい日常の中で、部屋を片付けたり掃除をする習慣がない人。
このような状態の人も多く見受けられます。ですから、「一人暮らしの経験」を確認するだけでなく、その人が精神的に自立しているか、また「生活力」があるかどうかを見極めることが大切なのではないでしょうか。
男女共に必要な生活力
「生活力」という言葉を調べると、次のように定義されています。
この定義に従えば、「生活力=経済的能力」となり、収入が低い人や収入が不安定な人は、生活に必要な力がないということになってしまいます。
しかし、現代において重要なのは、この「生活力」という定義を「現代人の社会生活」に合わせて拡張し、必要な能力を取り入れていくことです。
現代における「生活力」とは?
厚生労働省の調査によると、2023年時点で共働き世帯は1262万世帯を超え、今後も増加が予想されています。一方で、専業主婦世帯は1995年以降、大きく減少しています。
このような夫婦の在り方の変化に伴い、婚活における異性への条件も大きく変化しています。
近年では、異性に対して「経済力」や「安定」を求めるよりも、「価値観(金銭面・生活習慣)の一致」や、コミュニケーションや連携が取れる相手が好まれる傾向が男女共に強くなっています。
低賃金や雇用の不安定な時代が続く中で、夫婦が共に「家事・育児・仕事の両立ができる暮らし」を築くことが、最大のリスクヘッジであり、お互いの生活を尊重する生き方として求められているのかもしれません。
そのため、「二人で家庭を運営できる関係」を築くためのスキルこそが、現代の結婚相手に求められる「生活力」なのではないでしょうか。
家庭運営で必要なスキル3選
ここからは、現代の夫婦が家庭運営において大切にすべきスキルを3つに絞ってお伝えします。さらに、独身の段階からでも実践できる「ストレッチ(練習方法)」もご紹介します。これまで意識していなかったことがあれば、一つでも試してみてください。
対話のスキル
「対話」とは、日常的な「会話」とは異なり、将来設計や問題解決のための話し合いを指します。
この対話と会話を混同すると、「話をちゃんと聞いてくれない」「家庭に関心がない」という誤解を招くことがあります。楽しいおしゃべりを楽しむ一方で、対話もしっかり行える関係を築くには、恋人時代から簡単な対話のストレッチを始めることがおすすめです。
・「今、○○について話せるかな?」と、相手が話しやすい状況を整える声掛けをする習慣をつける。
・「二人にとって○○が良いと思うのだけど…」と、主語が自分だけにならないよう意識する。
・相手の意見が異なる場合も否定せず、一つの意見として受け入れるようにする。
情報共有のスキル
家庭を一つのチームと考えると、スケジュールやタスクを共有することで、お互いの生活リズムを把握し、役割分担がしやすくなります。また、「言った言わない」のような言い争いや、常識の違いからくる情報の格差が原因でトラブルになることもあります。情報共有をあまり意識していなかった方は、職場や家族とのやり取りの中で情報共有のストレッチを試してみましょう。
・口頭で伝えたことでも、メールやLINEなどで文章として相手に残す。
・自宅や職場の書類整理を行う。
・家計簿アプリを使って浪費を可視化してみる。
環境を整えるスキル
環境は人の活動において非常に重要です。使って良いものか判断がつかない物が周囲にあれば不安を感じますし、常に散らかっている空間ではストレスが溜まります。特に夫婦生活では、物の位置が頻繁に変わったり、相手の荷物が放置されていると大きなストレスを感じることがあります。
片付けが苦手だと感じる人にとって、結婚後に相手の荷物も含めた環境を整えるのは難しいかもしれません。環境を整えるストレッチを通じて、まずは自分の身の回りを整える習慣を身につけてみてはいかがでしょうか。
・ネットで購入した段ボールは、すぐに片付ける習慣をつける。
・物の位置を決めたら、必ず元の位置に戻す。
・収納スペースから物が溢れたら、不要な物を減らす。
さいごに
ここまで、「対話・情報共有・環境」の3つのスキルをご紹介しましたが、これらのスキルは一人暮らしでなくとも日々の生活で取り入れることができます。
夫婦生活は決して大変なことばかりではありません。
辛く苦しい時にはお互いに支え合い、二人だからこそ生まれる新しい出会いや価値観、そして未来への可能性を感じることができます。夫婦として共に歩む道のりは、挑戦でありながらも、喜びや成長に満ちたものになるでしょう。
まずは、今のご自身の生活を少し見直して、新たな出会いに心を弾ませていただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。